衛生管理、侮るべからず【応用編】

前回はフードビジネスにおいて最も基本的な衛生管理のポイントをお伝えしました。

今回は【応用編】と題して、デリバリー業界ならではの衛生管理の注意点や、知っておきたいポイントについてご紹介します。

【応用編】

①リスクを想定したルール作り

レストランの場合は、調理スタッフと接客スタッフで役割を分担していることが多いですが、フードデリバリーの場合、電話応対から調理、配達と一人のスタッフが複数の役割を分担していることが多いです。

そうなると受話器を持った手で食材を触ったり、お金に触った手で容器を手にしたり盛りつけしたりと、ついつい見落としがちな菌増殖のリスクがたくさんあります。

そうした考えられるリスクを想定したマニュアルが無ければ、早急に対策に乗り出す必要があります。

②配達時間も計算に入れたレシピ作り

デリバリーの場合、料理が出来てからお客様の手元に届くまで10~30分ほどかかります。

ですのでレシピ作りの際は、配達時間も考慮に入れるようにしましょう。

例えば、ステーキは出来立てはきれいなミディアムレアでも配達中に余熱で火が入り、お客様が食べる頃には肉がカチカチ、なんてこともあります。

とはいえかなりレアな状態で仕上げると、菌が死滅せず食中毒のリスクが高まる可能性があります。

お客様が食べる時に一番美味しくなるように出来るかが、店主の腕の見せ所です。

ちなみに、デリバリ―で生の料理を扱うことはあまりオススメしませんが、どうしても提供したい場合は、配達に保温バッグを使うなどして、温度を一定に保てる工夫を講じるようにしましょう。

③見た目から清潔感をアピール

デリバリーの場合、お客様と直接触れ合うのは料理をお届けする時だけなので、配達スタッフの身だしなみが清潔でないと、いくら美味しくて衛生管理の行き届いた料理を提供しても、『このお店は不潔』とみなされてしまいます。

普段お客様に見られることがないからと身だしなみは二の次になりがちですが、どこで誰に見られているかわかりません。常に身だしなみを整え清潔感をアピールするのも衛生管理の大事なポイントです。

さいごに…

実は、フードデリバリーには衛生管理の免許が必要ないってご存じでしたでしょうか?(飲食店や仕出し弁当の製造には免許が必要です)。

免許がないので開業の間口はとても広いですが、その分衛生管理に対する意識や知識はどうしても低いのが現状です。

一度食中毒の問題を起こすと、そこから立ち直るのは非常に困難です。

デリバリー業界が盛り上がってきている今だからこそ、衛生管理には十分注意していただきたいと思います。

AFDAでは今後、フードデリバリー事業者を対象に衛生講習会を実施していく予定です。日時や場所等は、決まり次第ブログやHPで告知します。

正しい知識を身に付けて、みんなでフードデリバリー業界を更に盛り上げていきましょう!

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